貸倒損失について
受取手形や売掛金が回収不能となった場合で、かつ貸倒引当金の残高がない場合、貸倒損失勘定で処理します。
具体的には取引先の倒産等により、売掛金・貸付金などの金銭債権が回収できなくなったもののことを指します。
貸倒の対象となる債権が売掛債権の場合には「販売費及び一般管理費」、それ以外の場合には「営業外費用」と損益計算書には記載されます。
貸倒れについてはこちらのページでも詳しく解説しているので、御覧ください。
また、日商簿記3級の出題範囲に含まれるかは怪しいところですが、上に出てきた「販売費及び一般管理費」と「営業外費用」についても簡単に概要をさらっておきましょう。
販売費及び一般管理費について
販売費及び一般管理費とは、損益計算書に記載される項目です。
商品や製品を販売するために直接かかる費用(主に販売費)と会社全般の業務の管理活動にかかる費用(これを一般管理費とも呼びます)の合計額のことを指して、販売費及び一般管理費と言います。
ちなみに販売費としてあげられる勘定科目としては、
- 販売手数料
- 広告宣伝費
等が挙げられます。
また一般管理費としてあげられる勘定科目としては、
等が挙げられます。
また、企業の営業活動として利用される費用のうち、売上原価に該当するものを除いた総称でもあることから、これらは「営業費」と呼ばれたりもします。
売上から売上原価を差し引いた利益のである「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」を差し引いた金額が、事業を通じて得た利益を示す「営業利益」ということになります。
営業外費用について
営業外費用とは本業以外で生じた費用のことを指します。
例えば、資産運用を行った結果、生じた損については、営業外費用に該当します。
また。銀行からお金を借りた際の利息や、社債に関する利息も営業外費用として計上することになります。
他にも下記のようなものがあります。
- 支払利息
- 社債利息
- 有価証券売却損
- 有価証券評価損
併せて覚えておくと良いでしょう。
貸倒損失は費用の科目
貸倒損失は費用の科目です。
貸倒損失は増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。
貸倒損失勘定を用いた仕訳の例
- 〇〇株式会社に対する前期からの売掛金¥100,000が貸倒れとなった。貸倒引当金残高は¥0のため、貸倒損失として処理する。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒損失 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |