繰越商品について
繰越商品勘定は決算時にのみ用いる勘定科目となります。こちらについては別途決算手続(売上原価)でも詳しく解説してますので、そちらのページを併せて参照してみてください。
繰越商品は、決算時に残った商品を資産として考えるため取り崩す際に、借方へ繰越商品として勘定記入するケースで用います。
少し分かりにくいですが、売れ残った商品というのは簿記の世界では資産として考えます。
ただし、仕入れために処理した仕入勘定は費用の勘定であるため、一旦仕入れて売れ残っている商品を資産として考えなおす必要があります。
その際にそのまま仕入れ勘定のままでは資産として扱えないため、資産勘定項目である繰越商品を使用するというわけです。
具体的な処理の流れについては、先ほどもリンクを貼ったコチラのページ(決算手続き – 売上原価)で説明しているため、そちらを参照ください。
繰越商品を用いた仕訳の例
下記は決算時の処理となります。この処理の中で繰越商品に関する勘定科目も利用されています。
- 期首商品棚卸高は ¥0 である
- 当期商品仕入高を ¥1600 である。なおこれは掛けとなる。
- 当期の売上高は ¥2,000 である。なおこちらも掛けとなる。
- 期末商品棚卸高は ¥200 である。
なお、期首の仕訳は不要であるため仕訳不要
としています。
– | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 仕訳不要 | |||
2 | 仕入 | 1,600 | 買掛金 | 1,600 |
3 | 売掛金 | 2,000 | 売上 | 2,000 |
4 | 繰越商品 | 200 | 仕入 | 200 |
この問題文の中に出てくる 期末商品棚卸高
の値が売れ残った商品を資産に取り崩す箇所となります。
上の表の中だと4がその処理となります。
問題文と照らし合わせつつ、繰越商品をイメージしてもらえたらと思います。
繰越商品は資産の科目
繰越商品は資産の科目です。
繰越商品は増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。