事業を行う上で税金は切っても切り離せない存在。勿論、それは簿記の世界においても同じことです。
ここでは、法人税、住民税及び事業税について見ていきます。
ちなみにこれらの税金については、そのまま法人税、住民税及び事業税勘定として処理を行っていきます。
法人税とは?
法人税とは、法人の事業買う動によって生じた所得(利益のことです)に対して課される税金のことを指します。
事業年度(会計期間)が1年の場合、決算に基づいて1年分の法人税を計算し、納付を行っていきます。
これが皆さんご存知の確定申告となります。
ただ、この確定申告とは別に、会計期間の 6 ヶ月を経過してから2ヶ月位に、前年度の2分の1に相当する金額、または6ヶ月を1事業年度とみなして仮決算を行い、計算した法人税額のいずれかを納付します。これを中間申告といいます。
当然、この中間申告に基づく納付を行った際には、一事業年度の法事税額が確定しているわけではありません。
そこで仮法人税等勘定で処理を行います。
決算に入り、一事業年度分の法人税額が決定した場合には、法人税、住民税及び事業税勘定の借方に記入していくとともに、法人税額から中間申告として納税した額を差し引いた額を未払法人税等勘定の貸方に計上します。
実際の仕訳についてはこのページの後半で、仕訳の例に従って処理を追っていこうと思います。
住民税とは?
住民税とは当道府県及び市町村がその地域の住民である法人、または個人に対して課す税金の一つのことを指します。
これらの金額についても法人税、住民税及び事業税勘定で処理を行います。
事業税とは?
事業税とは、事業活動を行っている法人及び個人に対して課される税金のことをいいます。
こちらの金額についても同じく法人税、住民税及び事業税勘定で処理を行います。
法人税、住民税及び事業税勘定を用いた仕訳の例
では、実際に仕訳の処理をについて見ていきましょう。
今回は下記のような取引を例としています。
- 法人税、住民税及び事業税に関する中間申告を行い、合計 ¥200,000 を現金で納付した。
- 決算を行うにあたり、当事業年度の法人税、住民税および事業税が ¥450,000 と計算された。
- 確定申告を行い前年度(2)に基づく未払い法人税額 ¥250,000 を現金で納付した。
法人税の申告期限について
上の例の場合、2 と 3 は年度をまたいでいます。
法人税の申告期限は、原則として決算日の 2 か月後となっているため、例えば 2 の決算日が 3 月 31 日に設定されている場合、5 月 31 日までに確定申告を行い、納税する必要があります。
番号 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 仮払法人税等 | 200,000 | 現金 | 200,000 |
2 | 法人税、住民税及び事業税 | 450,000 | 仮払法人税等 未払法人税等 | 200,000 250,000 |
3 | 未払法人税等 | 250,000 | 未払法人税等 | 250,000 250,000 |
ここで注目するのは未払法人税等勘定の算出方法です。
これは上にも書いたように、法人税額から中間申告として納税した額を差し引いた額を未払法人税等勘定として計算したものとなります。
今回の場合は下記のような計算を行い、未払法人税等勘定の金額を算出しています。
¥450,000(法人税、住民税及び事業税) - ¥200,000(仮払法人税等) = ¥250,000(未払法人税等)